コラム



「新しい神話」


今の時代に必要なのは新しい神話だ。
古代神話はその時代にとっての今の科学 − 物理学や生命科学 − の役割をしていた。
それは人間の誕生や生命の誕生、宇宙のさまざまなことを詩や物語にたとえて語っていた。 
しかし、旧約聖書の創世記は文字通りに7日間で神が世の中を創ったと読まれるようになった。
神話学者、ジョーセフ・キャンベル、によるとそれはメタファーとして「詩」として解釈されるべきだった。
しかし、キリスト原理主義者やイスラム原理主義者もそれぞれ文字どおりの解釈をする事が正しいという。
それには権力の闘争が背景にある。そして、宗教は科学の発展を取り入れる事が出来なかったため、私たちの日常的な生活とは関係ないものになった。
最近の生命科学や物理学の発見では宇宙や生命の構成は古代インドなどで語られていた神話と多くの共通点が見られてきた。それも科学的にも証明出来るようになってきた。これはオカルトでも怪しい宗教でもない。
商売ともつながらない。ゲノムの事が分かってきた20世紀の終わりではクローン技術や遺伝子組み換えの事が騒がれていた。
大量のお金がその研究だけに注がれていた。今では時代が再び変わった。 最新の物理学の進歩により宇宙や生命の構成の事がより分かってきた。そしてそれは僕にとって最近聴いた最も美しい「詩」と「音楽」だった。